ハチミツの味や色の違いの原因はミツバチが集める花の種類によって決まる
ハチミツって様々な味や色、香りがありますよね。
色の違いとしては、黄色いハチミツもあれば、焦げ茶色、そして真っ黒なハチミツもあります。
甘みの違いとしては、ものすごく甘みの強いハチミツもあれば、甘みと苦みが混ざったハチミツもあります。
その他、様々な色や味のハチミツが世界中のハチミツを探すとありますよね。
それらの違いとは何が原因なのでしょうか?
実は主にミツバチが集めてくる蜜源(花)の違いが原因です。
例えば、クローバーがたくさん咲く場所でミツバチに蜜を集めさせたハチミツはクローバーのハチミツになります。
アカシアの木がたくさん咲く場所であればアカシアのハチミツ。
レンゲの花であれば、レンゲのハチミツが採取できます。
また、医療分野でも使われているマヌカのハチミツはニュージーランドに咲いているマヌカという花の蜜から集められたハチミツです。
蜜源(花)記載のハチミツはセイヨウミツバチの習性を上手に利用して採取する
では、どうやってミツバチに花の蜜を集めさせるのでしょうか?
一般的に市場に流通しているハチミツはセイヨウミツバチのハチミツです。
セイヨウミツバチは特定の花を集中的に集めるという習性があり、その習性を利用して特定の蜜源が固まって生息している場所でセイヨウミツバチの巣箱を設置し、ハチミツを採取します。
海外では広大な土地で同じ植物を管理してそこでミツバチに蜜を集めさせるため、非常に効率的に大量にハチミツを採取することができます。
”みつばちの大地”という映画では、アメリカの広大なアーモンド農園にミツバチを放ち大量のハチミツを採取している映像を見ることができます(大量生産・大量消費、資本主義的な考え方が支配している現代で、ミツバチの置かれている過酷な現状を理解できますので、ぜひご視聴をお薦めします)。
一方、国内では一昔前まで養蜂家さんが特定の蜜源を求めて巣箱を西日本から東日本へ移動させながらハチミツを集める「移動養蜂」が盛んだったようですが、近年は養蜂家さんの高齢化による減少と日本国内にまとまった蜜源が減ってきたことにより移動養蜂も少なくなっているようです。
さらに、日本国内の土地では地形の高低差が大きいので、海外のように広大な平野部がなく、そのような土地でミツバチに蜜を集めさせることが北海道以外では非常に困難であり国内養蜂はコスト高となりますので、そのような理由からか日本で流通しているハチミツの多くが海外からの安価な輸入ハチミツとなっています。
このように蜜源を判別できるハチミツは主にセイヨウミツバチのハチミツであり、人間によってミツバチも蜜源もしっかり管理されているハチミツなのです。
特定の蜜源を判別できないハチミツは百花蜜となる
このように、ハチミツは養蜂家の手間と努力が加えられた上でミツバチによって特定の花の蜜から集められたものです。
一方、蜜源が特定できないハチミツは百花蜜と言われています。
この百花蜜と相性が良いのがニホンミツバチです。
ニホンミツバチはセイヨウミツバチのようには特定の花の蜜を集める傾向はあまり高くないようです。
ニホンミツバチは大陸に生息しているトウヨウミツバチの一種(遠い親戚)ですが、遠い昔に日本列島が大陸から切り離されて以降、日本の湿気のある気候や高低差のある地形に適応して種を繋いできました。
その過程で周辺に咲くさまざまな草花から蜜を集める必要性に迫られた結果、セイヨウミツバチとは異なる蜜の集め方になったのだと思います(セイヨウミツバチは、人間にとって都合の良いように、品種改良されています)。
ニホンミツバチのハチミツは一期一会のハチミツ
ニホンミツバチのハチミツは濃縮された甘みとコクの深みに特徴があります。
ミツバチが周辺の草花から集めてきた様々な花の蜜がブレンドされ、春から秋に掛けてじっくりと乾燥・熟成したハチミツです。
その味は周辺の草花の種類によって微妙に異なりますので、その地域の味がハチミツの味になります。
セイヨウミツバチのハチミツが花によって異なるように、ニホンミツバチのハチミツはブレンド蜜なので、巣箱がある周辺の環境によって異なる地域の味となります。
よって、ニホンミツバチのハチミツは全て同じものとはならず、その味や色、香り、発酵が進んだ後の状態など、全てもの異なります。
さらに、同じ場所で同じミツバチの群が蜜を集めたとしても、毎年のように全く同じ配分で花の蜜を集めてくることはありませんので、毎回、異なるハチミツとなります。
つまり、毎回同じものが採れない、一期一会のハチミツと言っても良いと思います。
まるで、毎年の出来が異なるワインのようなものですよね。
ハチミツの事を知れば、その楽しみ方はさらに広がる
ハチミツに含まれている成分には殺菌効果や免疫力強化がよく謳われており、ハチミツといえば健康食品とのイメージが強いですが、JBeeFarmとしてはハチミツの味のバラツキを楽しんで戴きたいと思っています。
そのバラツキを楽しむならば、ニホンミツバチのハチミツが面白いと思っています。
同じニホンミツバチのハチミツでも、地域によって味が異なります。
同じ場所に置いたハチミツでも微妙に味が異なるのがニホンミツバチです。
ましてや、九州のハチミツと関東や東北のニホンミツバチのハチミツでは味が大いに異なるでしょう。
その味のバラツキを優雅に楽しむのが、これからの贅沢なハチミツの食し方ではないかと思っています。
ハチミツで物質的に体が健康的になるのは勿論ですが、心も健康的になれるハチミツがニホンミツバチのハチミツだと思い、JBeeFarmではニホンミツバチのハチミツ生産と地域養蜂家の育成に取り組んでいます。