JBeeFarmでは出会った人や、ハチミツをたくさん御購入いただく方にはニホンミツバチ養蜂をやってみることをおすすめしています。なぜなら採取したハチミツが美味しいこともさることながら、その他に得られる事が多く、しかも幸福感も高まります。私も養蜂を趣味で始めた頃は美味しい純粋生ハチミツがたくさん食べられるという『不純』な動機で始めた事を最初に白状しておきましょう。だから、これからニホンミツバチ養蜂を始める皆さんが、私と同じ思いで養蜂を始める事に対して批判はできませんし、逆に「これからもっと楽しい事が起こるから楽しみですね」と心から言いたいのです。ここでは、私が感じたニホンミツバチ養蜂を始めた事で起きた変化をお伝えします。これは、私が実際に感じた事なので、他の方が同じように考えているかはわかりません。
生活環境や体の変化(目に見える変化)
美味しい純粋生ハチミツが食べられる
ニホンミツバチのハチミツは純粋生100%の百花蜜です。味に癖が少なく自然の味そのものなので、あと味が良く、非常に食べやすいです。ニホンミツバチのハチミツを一度味わうと、止められなくなり大変な事になります(笑!)。
ミツロウを自作できる
ニホンミツバチのハチミツを絞る際に出てくる絞りカスから不純物を取り除くと、ミツロウが採取できます。ミツロウは蝋燭(ロウソク)やハンドクリーム、ミツロウラップ、木材塗料などを作る際のベースとなる材料となります。
ハチミツを食べると健康になる(個人差あり)
ハチミツの健康に対する効果は様々な情報で溢れています。免疫アップ、血行促進、殺菌効果、栄養補給など色々ありますが、私が最近実感する事は全体的に体の血行が良くなったのか、冷え性が改善しました。また、冬の日の朝の寝起きが楽になりました。あと、(自分では実感はないですが)お肌の状態を褒められます。
砂糖の使用量が減る
ハチミツが自給できるくらい採取できるので、砂糖は使う機会が自然と減ります。普段は料理に入れたりしますが、最近はコーヒーにハチミツを入れて楽しんでます。
自然と触れ合う時間が増える。
ニホンミツバチの巣箱は住宅地にも設置できますが、近所迷惑になりますので人気の無い山間部などに設置することが多いと思います。ミツバチを管理する上で、周辺の草を刈ったり、蜜源を増やすために樹木を植えたりと、自然豊かな場所に足を運ぶ回数も増えてきました。
ミツバチ仲間ができる
ニホンミツバチ養蜂は野生の生き物を相手にしているので、分からない事ばかりです。正直、答えはありません。答えを探求する途中で問題も発生したり、助言をもらったりと相談する仲間が増えてきます。そのような関係では上下関係はありませんので、普段の仕事とは違った分野の人達との新しい人間関係を構築できる良い機会です。いざという時はそのような人間関係が役に立ちます。
贈り物に自分のハチミツを配布できる
お中元、お歳暮、友人への訪問などで、贈り物を贈る機会は誰にでもあります。今までは市販のものを購入していましたが、最近はハチミツです。世界に一つだけの自分(本当はミツバチですが)で作ったハチミツです。贈られた側にも大変喜ばれますよ。
味覚が変わる
採取するハチミツは自然の物から集めた天然の花蜜を濃縮したものなので、人工甘味料など人工的な物が殆ど入っていません。ハチミツを食べたら分かりますが、食した後の舌の感じがすっきりしています。これは、無肥料農薬野菜で作った野菜も同じです。この状態に体が慣れてくると、普段食べている食材に含まれている成分に敏感になれます。
心や考え方の変化(目に見えない変化)
ミツバチを近くで観察できて、見てると心が癒やされる
ニホンミツバチは比較的大人しいので、近くで観察するにはたいへん付き合いやすい生き物です。毎日何時間でも見て居られるので心が癒やされて幸福感が高まります。時間に追われる日々からちょっと離れられるきっかけになるかもしれません。
周辺環境について自分事のように考えるようになる
巣箱周辺で薬剤が撒かれた際に運悪く巣箱の中に農薬が入ってくるとミツバチが死んでしまうことがあります。ミツバチは痙攣しながら苦しそうに死んでいきます。養蜂家としては非常に悲しくなりますが、同時に周辺環境が自分にとって非常に身近なテーマになります。
ミツバチ目線で物事を考えるようになるので、視点が広がる
都市部で生活していると、メディアから流れてくる環境問題や、社会課題をそのまま受け取ってしまいます。それの情報がその人にとっての判断基準になってしまうのですが、それが正解であるとは言い切れません。自分が良いと思っている行動はミツバチにとっても悪い事かもしれない。ミツバチにとって、人間とは何なのだろうなどと、日常生活では考えもしないような思考回路が頭の中で動きだします。難しく考える必要はないのですが、そのような新しい視点を与えてくれます。
ニホンミツバチを通して、自分と自然との距離感を掴めるようになる
ニホンミツバチは野生のミツバチです。家畜ではないので人間がいなくても生きていけます。本来、ニホンミツバチは自然の中で生きているのですが、人間が介入すると少なからずニホンミツバチの生活も人工的になってしまいます。彼らに人間が手を加えれば、それなりに営巣(巣作り)もしてくれますが、手を極力加えなくても彼らはしっかりと営巣します。だから、やり方次第では人間とミツバチとの程良い距離感で養蜂を楽しむ事ができるのです。私はこの距離間が非常に重要で、人間と大自然との良い距離感を理解する一つの目安になるのではないかと思っています。ニホンミツバチとの程良い距離間をキープすることで、人間もミツバチ(自然)もお互い無理(ストレスのない)をしない関係性を構築することができると考えています。
野菜・農園作りにも関心がでてくる
ミツバチは優秀な受粉媒介者でもあります。どうしても、巣箱の周辺に野菜や、樹木を植えたくなります。実際、ニホンミツバチの巣箱を近くに置いた畑では作物の実なりが良いという話を聞いています。種取りする場合はネットを張ってください。
ニホンミツバチとの関わりを通して、とりあえずこんな事が思い浮かびました。
あくまで個人的な感想ですので、ニホンミツバチと関わるとこんな感じで自分自身が変化してくると感じていただければ嬉しいです。
ニホンミツバチはあなたの身近にいる
私は「どこのハチミツが一番美味しいか?」とニホンミツバチ養蜂を楽しんでいる人々に尋ねるのですが、多くの方は自分の所のミツバチから採取したハチミツが一番美味しいと仰います。当然と言えば当然ですよね。ニホンミツバチは人間がいる場所にはだいたい何処にでもいますので、意外に身近なミツバチです。
最後になりますが、これまで良いことばかり書いてしまいましたが、養蜂すると蜂に刺されたり、周辺にご迷惑を掛けてしまうこともありますので、社会のルールを守って楽しんでくださいませ。ニホンミツバチ養蜂を始めるにはどうすればよいかは、こちらのページをご参照ください。